【ロボット好き必見】災害で活躍するレスキューロボットってなに?

学びに役立つ小話  |

アニメや漫画で大人気のジャンル、「ロボット」。人の技術が結集して動くロボットって、魅力的ですよね。ロボットは空想のSF世界だけのものではなく、少しずつ身近な存在になっています。携帯ショップや飲食店の受付をしているロボットを見たことがある人も多いのでは?
幅広い分野で活躍するロボットは、災害時にも活躍します。災害で役立つ、「レスキューロボット」についてみていきましょう!

レスキューロボットとは?

レスキューロボットとは、名前の通りレスキュー、つまり救助をするためのロボットです。地震や水害、土砂崩れなどによって、救助を必要とする人たちを助けます。さまざまなレスキューロボットが誕生していますが、主に要救助者の「発見」を目的に開発されていることが多いです。

レスキューロボットの歴史

レスキューロボットの開発が本格化したきっかけは、1995年に発生した阪神淡路大震災です。たった15秒の揺れによって、6000人を超える犠牲者を出しました。
地震によって電気や道路といったインフラ関係が壊滅し、救助活動に遅れが生じました。瓦礫や火事といった中での救助活動は、人間にとって非常に危険なため、レスキューロボットに注目が集まったのです。

レスキューロボットの機能&技術

では、どんな機能によってレスキューロボットは活躍しているのか、みていきましょう。

・移動のための機構

災害現場を乗り越えることができる、キャタピラや車輪などの移動機構が備わっています。そもそも、移動ができなければ救助活動もできませんよね。地震や土砂崩れなどの災害現場では、足場が不安定である場合がほとんど。そんな足場の悪い状況を進むことができる、走破性が重要です。

また、ドローンのような空中を移動するロボットでは、プロペラなどの移動機構が搭載されています。地面を走るための機構よりも、シンプルな機構であるという特徴があります。

・センサー機構

移動の次に重要なのが、センサーです。要救助者を発見するためのセンサーだけではなく、ロボットによってはガスや電磁波も認識します。また、位置を計測したり、ロボットの傾きや姿勢を感知したりするためにも必要です。

・遠隔操縦機構

人間がその場に行かずに済むように、遠隔操縦をする必要があります。先ほどお伝えしたセンサー機構による情報を送信し、人間が状況を判断して遠隔操縦します。そのため、危険な状況にも耐え得る通信システムが必要です。

実際のレスキューロボット

では、実際のレスキューロボットにはどのようなものがあるのでしょうか?ご紹介していきます。

原発の内部に投入されたロボット

東日本大震災で活躍したレスキューロボットには、原発内部を確かめるというミッションを果たしたものもあります。
2011年に発生した東日本大震災は、日本国内の観測史上最大となる規模の地震であり、甚大な被害をもたらしました。中でも問題になったのは、原子力発電所の水素爆発です。放射性物質を大量に放出するという重大な事故になりましたが、内部を確かめようにも人間が耐えられる環境ではありません。そのため、アメリカの軍用ロボットを使ったものの、がれきを想定したものではありませんでした。

そこで投入されたのが、国産ロボットの「Quince」です。もともとは、地下街の事故やガス漏れなどを想定したものでしたが、5回も原発の内部に潜入することができました。配管やバルブなど、現場の状況を詳細に確かめることで、原発内での作業プランを考えるのに大きな貢献を果たしたのです。
通信ケーブルが切れたことで回収は不可能になったものの、Quinceの活躍は話題になり、レスキューロボットというものが広く認知されるきっかけになりました。

瓦礫上でも安定して走行できるロボット

従来のロボットでは、瓦礫上の走行がどうしても困難でした。そこで、安定して走行できる新型レスキューロボット「Hibiscus」が開発されたのです。
Hibiscusは、移動のための機構であるキャタピラが全体を覆うように構成されています。さらに、それぞれのキャタピラは独立して動かせるうえ、4本のキャタピラがアームとして機能します。
このような機構により、障害物に乗り上げても空転せず、乗り越えられない高い段差も越えることができるパワフルな仕上がりに。瓦礫だらけの災害現場でも、活躍してくれるでしょう。

消火活動をするロボット

レスキューロボットの開発本格化のきっかけとなった阪神淡路大震災では、285件もの火災によって甚大な被害が拡大しました。消火活動をするレスキューロボットは、被害の軽減に欠かせないといえるでしょう。
埼玉の企業が開発した消防用無人放水ロボット「ARGシリーズ」は、遠隔操作が可能です。密集した建物や、人間が容易に近づけない危険物火災に対しても、毎分500リットルの放水ができます。また、カメラや作業アーム、センサーなどのユニットを取り付けることもできるので、消化以外の活動も期待されています。

まとめ

レスキューロボットは、災害大国である日本において、欠かすことができない存在となっていくでしょう。ロボットは、人間の代わりに業務を行なったり、作業を効率化したりするだけではなく、人の命を救うこともできるのです。
機械やロボットに興味があるなら、命を助けるレスキューロボットの開発をしてみてはいかがでしょうか?開発を行う「ロボットエンジニア」を目指すには、専門的な知識と技術が必要です。まずは、ロボットに関して学ぶことができる大学や専門学校に進みましょう。大阪国際専門職大学なら、企業との連携した授業によって、実践力を身につけることができます。ロボットエンジニアとして活躍したいのなら、こちらで学んでみてはいかがでしょうか?

工場用ロボットイメージ画像
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